今回はシリーズ最後のブログになります、テーマは溶接条件から外れた場合その部分はどうなるか?
これを実際に検証した実験データを解説していきます。

超高張力鋼板 980Mpa(板厚:1.2mm)を使用して実験
条件① 最適な溶接条件
件② 最適な溶接条件から加圧力が不足した場合

条件③ 最適な溶接条件から加圧力を上げた場合
条件④ 最適な溶接条件から電流値が不足した場合
条件⑤ 最適な溶接条件から電流値を上げた場合

実際に溶接した鋼板をそれぞれ引張り破断した数値(引っ張りせん断強度) 1KN=約100Kg
条件① 20.52KN
条件② 21.33KN
条件③ 17.16KN
条件④ 13.95KN
条件⑤ 23.58KN

溶接の品質はおもに引っ張りせん断強度とナゲット径で評価されますが一番重要な引っ張りせん断強度について考察したいと思います。
まず条件①を基準にすると条件②条件⑤では強度が上がり、反対に条件③条件④では強度が下がるという結果が出ました。
特筆すべきはその強度低下の差で最大 10KN(約1000Kg)!!!
皆さん1tですよ1t あの丸っこい小っさいナゲット部分でぇ!!(滝汗)

最適な溶接条件①条件④の差でも 7KN(約700Kg)

50~80箇所 これは何を表すかというと超高張力鋼板使用部位、フロントピラー、センターピラーのスポット溶接点数です。
溶接強度低下数値 7KN×50~80
=350KN~560KN(35000Kg~56000Kg)

皆さん35t~56tですよ!!あの丸っこい小っさいナゲット部分でぇ!!(しつこいとは言わないで下さい)
車の柱を一本適当に溶接すると35t~56t強度が低下する・・・

これだけ強度が下がれば同一修理箇所を再度損傷を受けた場合にどうなるかは想像できると思います。
先日ある勉強会にて事故映像を見ました、それは最適な溶接条件で側面修理したA車と最適な溶接条件をしないで側面修理したB車(同じ車種 グレード 色)
その2台の車輌の修理箇所(運転席側側面)を衝突実験したものです。

A車 フロントドア、リアドア ガラスも割れずピラーでしっかりと室内を保護できていた。
B車 フロントドア、リアドア ガラスが割れピラーごと運転席に食い込んでいた(乗っていた人形は大破していました)

動画を見てこれが実際に起こったと想像すると本当に恐ろしいなと・・
溶接は技術とともに知識がモノをいう作業です、正しい知識を持ち正しい溶接をする事が目に見えない強度というものをきちんと復元する為に
絶対に必要なものと言えます。ボディーショップ一社一社が車の進化に合わせ知識・技術を向上させていくことが粗悪な修理を無くしユーザーの
安心安全の為にこれから取り組むべき事だと思うのは私だけでしょうか?
もしこの記事をディーラーのフロントマンの方が見て頂ければ知識として覚えて頂き、是非ユーザーの方に説明して頂きたいと思います。
そうすればユーザー、ディーラー、ボディーショップがよりよい関係を築いていけるのではないかと思います。

ディーラーでは鈑金修理の受付は行いますが実作業は内製工場もしくは地元の ボディーショフ゜で外注修理する場合が殆どです。
 実際にディーラー工場での鈑金塗装修理は行っていないので外注工場の設備を 知らない場合もあります。

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